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2011年 07月 05日
嫌な予感はしていた。
案の定、昼の勤務に入ってから胃もたれ、腹痛を介してトイレに駆け込むまで3時間を要しなかった。が、それを過ぎても襲いくる腹痛。脂汗。そして吐き気。……吐き気? 認識した瞬間、酸っぱいものがこみ上げてくる。直属上長に断ってトイレへ駆け込む。あ、ダメだ。リミッター外れた。便器に覆いかぶさり、胃の内容物を一気に吐き出す。 一瞬朦朧とする意識の中、シャオは一つのことを思っていた。 タマネギだ。 タマネギのせいだ。 ☆ 話は日曜日に遡る。 シャオの悪癖と言うのは数あるのだが、その中でも酷い悪癖と呼べるものに、恐ろしいほどの偏食持ちと言うのがある。 誰だって苦手な食材はあるよと慰めてくれる方も多いのだが、シャオの偏食はちょっと違い、別に食材で区分されない。例えば、シャオは確かにタマネギが苦手だが、例えばシチューに入っているタマネギとか、生姜焼きに入ってる細いタマネギとか、あるいはカツオのたたきに添えられている生のスライスのタマネギ、サラダに入っているタマネギなんかは食べることができる。というか、好物と言ってもいい。 が、基本的に、タマネギを「大きくザク切りにされ、炒められたもの」が致命的にダメなんである。食材ではなく、調理法に左右されるのだ。シャオと一緒に焼肉やバーベキューを食べた人間は、巧妙につけあわせのタマネギを相手方に押し付けるシャオの熟練の技に感嘆することになる。あと、「揚げたタマネギ」(オニオンフライとかね)を発明した奴。死ねばいいのに。速やかに死ねばいいのに。 シャオとお付き合いする女性は、何故か例外なく料理好きで、手料理などふるまってくれていたのだが、付き合って3ヵ月もすると悲鳴を上げることになる。なんせこの手のタイプの偏食家は、料理の予測ができない。昨日、シチューに入ってたタマネギを上手そうに食ってた奴が、次の朝、余ったタマネギを使って野菜炒めを作ったら、大変悲しそうな顔をするなんて誰が想像できる? さて、日曜日の夕食は、鶏肉のカシューナッツ炒め(中華風)。ラブラブカップルたるシャオ夫妻はならんでキッチンに入り、決められた役割分担で料理の手順をこなしていく。シンクで鶏肉のタッパーを洗っていたシャオの横で、配偶者が包丁を使いタマネギを大きくザク切りし始めた時、シャオは悲鳴をあげそうになった。一番ダメなパターンですソレ! が、配偶者の手さばきには一瞬の乱れもない。手際良くタマネギを切ると、あ、あ、あ、あ。それを熱したフライパンの上に……。 出来上がった軽肉のカシューナッツ炒めには、炒めたタマネギと炒めたピーマンが入っていた。ぐはあ。これはちょっとと思ったシャオを、理性が食い止める。小学生じゃないのだ。配偶者が一生懸命作ってくれたものに対して「悪いけど俺の分だけタマネギとピーマンよけて」と誰が言えようか。頬をひきつらせながら食卓に着き、とりあえず口に含んでみる。 ……配偶者は悪くない。 味付け自体は上品と言っていい。火の通り具合も悪くない。だがダメなもんはダメだ。これは配偶者が悪いわけでもなく、食材が悪いわけでもない。強いて言うなら何かの間違いだ。おずおずと自分の悪癖を白状し、ある程度のタマネギとピーマンを配偶者の皿に移し、頭を下げて勘弁してもらう。配偶者の眉間に皺が寄ったのは確かだが、配偶者とて弱点の食材はあるので理解はしてもらった。今後(予定では)何十年と一緒にいるのである。この手の弱点はばらしておくのに限る。というか、結婚3年間で始めてこの手の問題が出たというのが奇跡に近いのだ。 で。話は月曜日の昼にワープする。 我が担当は昼食を課長以下メンバー全員で取るというこれまた悪い癖があり、そしてその日は大雨だった。一番近い定食屋に向かったシャオは、店頭のメニューに表示された「本日の定食:小海老と小鰯のかき揚げ丼」という文字に戦慄する。この上、揚げたタマネギを食わせられたらたまらん。 が、ここで身をひるがえして「あ。僕は別の店に行きます」と言おうものなら…無駄に結束力が高い我が担当がどういう方法に出るか想像に難くない。かつて、八宝菜ランチ(これも食べられない品目のひとつ)という文字を見た瞬間、身を翻したシャオを、担当全員が追っかけてきた恐怖を忘れられようものか。おまけに大雨だ。担当に迷惑をかける訳にもいかない…と一瞬の躊躇をしたのが運のつきだった。もう課長は先頭を切って定食屋に入っている。覚悟を決めて店の中へ。 落ち着け。シャオは自分に言い聞かせる。メニューには「小海老と小鰯のかき揚げ」と書いてあった。純粋にその二つを使っただけのかき揚げなら十分好物の部類に入る。座敷に座り、野菜の小鉢、お刺身の小鉢、お味噌汁、そして問題のかき揚げ丼と手際よく並べられる風景を見守る。そしていただきます。 何はともあれ、問題はかき揚げだ。形の上からでは確かに小海老と小鰯のかき揚げっぽいが…とりあえず齧ってみよう。はむ。 思いっきりタマネギの感触がシャオの味蕾を直撃する。 クリテイカル・ヒット。 思わず突っ伏しそうになるのを根性で抑える。畜生、やっぱり使ってやがったか。行儀知らずと言われようが、食う前にパーツごとにばらすべきだった。が、いっぺん口の中に含んだものを吐き出す…できるかそんなこと社会人として。 とにかく飲みこんだ後、強引にコメをかっ食らって味を中和する。も―知らん。つけあわせの刺身を醤油にブチ込み、とにかくかき揚げを食べる時には一緒に刺身も食らう。もはや醤油とワサビの味しかしないが、それがどうしたというのだ。味なんか知ったことかとばかりに、機械的に箸を動かして胃の中に落とし込む。あれほどスコップが欲しかったことはない。 2日連続で苦手な食材を、しかも無理やりに胃の中に放り込むというのは、シャオにとっては相当なストレスだ。かき揚げと言うこともあり、ただでさえ胃もたれしやすいのに。そらあ吐くぐらいはするだろう。と思っていた。それまでは。 が。 ストレスによる嘔吐なら、経験上、一回で済む。「吐いた」ということが自体がストレスの解消法となり、その後は何もなかったように落ち着くのだ(あくまでシャオの場合)。だが、一向に収まらない腹痛。水のような、というよりもはや水としか呼べないような下痢、そして間断なく出てくる脂汗。 ヤバい。ただでさえシャオはアヤシゲドラッグを服用している。このままの状態が続けば、自律神経自体が物理的におかしくなる可能性も考えられる。脂汗にまみれ便器に座りながら、シャオは財布を取り出し、かかりつけの内科の診察券を取りだす。まだ診療時間中だよな?と思ったカードには「月曜日・午後休診」という無情な文字が描かれていた。 あまりと言えばあまりの事態に眩暈を感じながら、解決策を求めて狂ったように財布の中を探る。次に引き当てたカードは耳鼻科。次。何枚かのカードを引っ張り出し、ようやく「消化器科」という表示がある病院のカードを引き当てる(何枚持ってるんだよ)。場所も会社の近くだし、そこまでなら何とか持つだろう。覚悟を決めてトイレのドアを開け、直属上長に「病院行ってくる」と告げて大雨の中病院に向かう。 が、ここでも惨劇は待っていた。一歩進むごとに高まる吐き気。たかが100m近く進むのに、シャオは3回電信柱に向かって嘔吐することになった。幸い大雨で、そのまま下水口に流れて行ったが、通行人がドッ引くドッ引く。まるで汚物扱いだが、やってることは汚物を生産してる訳で文句を言うわけにもいかない。 病院に到着した時には、すでに過呼吸の発作が出ていた。うっわー。モロに自律神経に影響出てるじゃん。問診票に記入しようと思ったら、手がアホみたいに震える。マジでコレはヤバいんでないかい。が、熱を測ると36.7度。幸い急患扱いにしてくれたらしく、殆ど待つこともなく待合室から診察室へ。若い医師が一通り触診をして下した診断は「原因は不明だが、急性の胃痙攣と腸痙攣による腹痛」という大層事務的なものだった。 曰く、下痢や嘔吐というのは下手に止めないほうがいい場合もあるが(体が異物を排出しようとする作用の為)、話を聞いているともう出しつくしたみたいだし、胃痙攣と腸痙攣を鎮静化させる方が楽になるとのコト。ブスコパンを筋肉注射され、15分ぐらいで収まりますよ、とにっこり笑われた。はあそうですか、としか言いようがないシャオ。看護婦が機械的に待合室に放り出そうとするのに抵抗していると(ブスコパンってのは結構な頻度で副作用が出るのである)、さすがに医師が止めた。病室の片隅のベッドで寝ころがっとれ、というありがたいご神託を受け、固いベッドに横になる。 それから30分。一向に収まらない腹痛にのたうちまわっているシャオがいた。「おかしいですねえ」と首をかしげる医師。ああああのなあ。吐き気が酷くなってきたことを訴えると、吐き気止めを注射し、「とりあえず経過観察」と指示をして医師はどこぞへ消えた。そして、次の瞬間、シャオは看護婦から信じられない言葉を聞くことになる。 「シャオさん。ここの病室、あと20分で閉めたいんですけど」 うん。判るよ。俺にだって時計は見える。あと20分で診療時間終わりだよね。早く帰りたいよね。だけど、シャオさん、ついさっき立ちあがろうとしてぶっ倒れて、んで「経過観察」って指示を医師に受けたばっかりなのよ?あんた横で聞いてたよね? ついでに言うと15分で効くって薬が30分効かなかったんだよ? あと20分でこの症状が治まる可能性ってどれぐらいなのかな? が。時間を切られるとそれに向かって動くのはサラリーマンの悲しい性。さすがに5分だけは待ってもらったが、いずれ動かなきゃならない。幸い、腹痛はともかく吐き気は注射してもらったのがよく効いている。動くなら今しかない。とりあえず病院を出て、タクシーで家に帰ってベッドで気を失おう。そう判断して、よろよろと立ちあがる。さすがに医師が飛んできて「大丈夫ですか?」と言われたが、テメェんとこの看護婦が出ろって言ったんじゃい。よろよろと待合室へ。ほどなく会計課から呼び出される。会計を済ませて処方箋を貰う。え? 処方箋? 「あの・・・この処方箋ってどこで…薬に…」 「一番近い薬局だと、外に出て右に曲がってもらって300m先です」 この上、300m歩けとおっしゃる! 処方箋の中身を見てみる。ただの整腸剤ならこの場で破り捨ててやると思っていたら、頓服で腹痛の鎮静剤が出ていた。これは貰っておいた方が。夜中に痛みだしたらとんでもないことになる。 で、よろよよろと300mほど歩き、薬局に処方箋を提出。調剤してもらっている間に今後の工程を考える。幸い、会社のICカードと財布は持って出ている。このままタクシーで家に帰って、電話で会社には事情を話そうか、と思いかけた瞬間、家のカギを持ってないことに気が付く。そのカギは、会社のシャオの机の横にある鞄の中にあり、そして世界中にそこにしかない(勿論、配偶者は持っているが)。 どうにも会社に戻らんといかんのか、と思うのだが、この状態で400m(薬局が会社と全く逆方向だったので、100m+300m)歩くのは、シャオにとってフルマラソンに等しい。しかも外は繰り返すが大雨。もうどうせずぶ濡れなので気にすることもないのだが、この上風邪でも併発したらかなわん。すでに過呼吸の発作は断続的に出ている。行倒れってのは避けたい。ええいくそ。 しょうがないので、薬局にタクシーを呼んでもらい、会社に乗りつけて鞄だけ回収し、そのまま帰宅と言うプランを選択。むろん、会社にタクシーを乗りつけて構内で待たせるなど役員でもやらんことなのだが、今回は勘弁してもらおう。タクシーに乗り込んで手短に指示を伝える。 タクシーが構内に入る。適当なところで止めてもらう。警備員がすっ飛んできたのを、安全保障対策室のIDカードを突きつけ、「5分だけスペースを開けろ。【緊急】だ!」と一喝して下がらせる。勿論、シャオにそんな権限ないのだが、そもそも安全保障対策室は社長直轄組織なので、5分程度の構内無断駐車という実害のない行動でそんな手間は踏まないだろうし、万が一律儀に警備員が問い合わせたとしても、官僚的なピカチュウ社、総務経由で上に問い合わせるだけで10分はかかる。その間に用を済ませればいいのだ。こう書くと泥棒だな我輩。 エレベーターに乗り込み、目的階のボタンを押すと、シャオはエレベーターの中に座りこんだ。 (長くなったので続く)
by shaonanz
| 2011-07-05 23:34
| 日記
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