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2011年 11月 12日
お財布の中を気にせず本を買えるようになったのは、いつ頃からだったろうか。
今でも覚えているのだが、シャオの高校時代のお小遣いは堂々の「0円」であった。当たり前だがバイトも禁止である。なかなかに無謀な設定だと思う。 勿論、親の側にも言い分がある。父親曰く、高校時代は学業と体育の修養に務めるべきであり(そんな大層な、と思われるかもしれないが、ウチの父親はこういうモノ言いをする人なのだ)、まずはそれを極めるのが先決であることからアルバイトなど言語道断である。そして、その考え方を受けて母親曰く、昼食は弁当を持たせている。通学はチャリ通学であり、学業(体育・部活を含む)に必要な物品は親同伴で購入。朝食・夕食は家で提供している。この状態で現金を持たす必要がどこにある? と。 理屈としては正しい。完璧と言っていい。だが、一介の男子高校生にとってそんな理屈は大変どうでもよかった。実際問題として、友人たちとの「つきあい」というものはある。まあそれは何とかやり過ごすとしても(大体において、あの時代の高校生と言うのは概して金を持っていなかった)、何より困ったのが図書の購入費をどこから捻出するかであった。 この点、シャオの父親は明快な回答を用意していた。曰く、書名と著者名を書いて我に提出せよ。さすれば、我社に出入りしている本屋から貴君に対し適切な図書が交付されるであろうと。しかしながら、高校生にもなると親には言えない本とゆーものが必要であり(少なくともシャオには必要だったが?)、有体に言えば「デラべっぴんの11月号を一冊ください」などと書いた紙片を渡そうものなら即座に家族会議が招集される事だろう。 まあ、エロは置こう。それは知恵と勇気と妄想で何とかするにしても、問題はマンガとSFであった(ミステリは、幸い父親の蔵書がアホほどあった)。シャオが高校生だった時代は、「大学生が電車の中でマンガ雑誌を読んでいた。なんと嘆かわしい光景かこれからの日本はどうなる」と悲憤慷慨する投書が新聞に載っていた時代である。まして、SFなどというモノはサブカル中のサブカルで、まだライトノベルのような市民権を得てはいなかった。こんな状態で、すいませんが新井素子のディアナ・ディア・ディアスを買ってくださいという紙片を渡したらどうなるか、即座に家族会議が(以下略)。 そこを知恵と勇気と(以下略)で何とかしていたシャオさんは、たまたま市立図書館(そこまでとて、金のかからないように自転車で行くのである)にあったSFマガジンのバックナンバーで、SF作家の久美沙織先生のエッセイを読んでひっくり返った。 我が集英社文庫コバルト・シリーズ読者のマジョリティーである女子中学生高校生の場合は、さらに過酷である。何しろ千円~五千円のこづかいの中から、原宿往復電車賃であるとか、クレープ代とか、レコードやコンサートの代金までも購わなければならないでしょう。 つまり、敵は作家ではない。 アイドル歌手のコンサートであり、学食の素うどん80円であり、竹下通り裏のブティックのスカート千九百円であり、ただで入れるディスコである。 「先生の本はおもしろかったけど、はっきりいって高い。あと、三十円足すと、漫画の単行本が買えるじゃん。もっと安くならないのぉ?」 とゆーよーな指摘も再三受ける。 かくして、文庫本を手にレジに向かう少女たちは殺気立っている。一冊三百四十円もの高額商品を買うのだから『つまらなかったら末代まで祟ってやる!』と本気で思っている。 <シャオ注:これは1985年に書かれた文章である。今読み返すと中々に示唆に溢れる文章だ。学食の素うどんが80円とか。レコードとかクレープとか。確かにそういう時代ではあった。「あと30円足すと漫画の単行本が買える」というのも、いかにSFの地位が低かったかを物語る文章だろう。電車の中で読んだら新聞に投書が載るほどのサブカルであるマンガの、さらにその下の地位なのである> ごせんえんだと? そんな贅沢な高校生が、五千円もの「お小遣い」、いわゆるひとつのフリーキャッシュフローを保有するブルジョアが、文庫本一つで殺気立つなら、シャオが知恵と(以下略)で購入する文庫本がつまらなかったら、どんな道具を使えば感情を満足させられるのだ? 地球はかい爆弾か? さてそれから幾星霜。 当時とは比べ物にならない(なんせ0円からの出発である。何倍って表現すればいいんだ?)程財布に余裕が出てきたシャオさんは、いつの頃からから、本に「ハズレ」を許容するようになってきた。いや、違う。正確に言えば、「ハズレ」が出るほどに本を購入するようになったのだ。考えてみれば高校時代は、図書館の雑誌で書評を読みまくった上、余裕があれば図書館や友人たち宅で「下読み」までして購入してきたのだが、いつしか「タイトル」「雰囲気」「ジャンル」「表紙」などでも購入するようになってきた。それはハズレがでるのも当然だろう。その無責任な選択故に、本や著者に対してイチイチ怒ったりはしない。一読した後、無言で納屋の「古本屋行」のダンボールの中に無感情に放り込むだけだ。地球はかい爆弾? いやぁそんな時代もあったねえ。 で。この「新任少尉、突撃!/マイク・シェパード」なのだが。 これを出版したハヤカワの編集者、ちょっとそこに座りなさい。いや。座らなくてもいい。 いいから黙って左頬を出せよこの莫迦野郎。 つまり、この本はそういう本である。ちなみに値段は驚きの1,050円(文庫本で!)。ホントに地球はかい爆弾の入手を考えることになりかねないので要注意。
by shaonanz
| 2011-11-12 19:57
| 本
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Comments(6)
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ヴァソピーノレ右大臣
at 2011-11-12 21:17
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ジャケ買いというものは、ジャケットを眺めるだけで幸せになれる者にだけ許される特権だということを覚えておくがいい(高笑)
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あんでー
at 2011-11-12 22:15
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Sin
at 2011-11-12 22:41
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子どもの頃、母親に「活字の本ならいつでも買ってやる」と言われ、伝記を読み漁ったおかげで歴史ヲタになった経緯があります。
働く前は図書館にしょっちゅう行ってました^^; 現在では、本の購入金額は毎月5千円までと決めております。 そうしないとエライ事に・・・ ちなみに、その手の挑発には非常に乗りやすく 数ヵ月後に地球はかい爆弾の入手先を探していたら 買っちまったもんだとお考えくださいませ。
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shaonanz at 2011-11-13 20:30
>右大臣
いや、これはジャケ買いじゃないんだってばよ(いや、表紙のイラストは確かに俺好みだけど^^)。こういう、「青年士官の活躍物語」っていうのは、あちらでは割とメジャーな「ジャンル」でね? イギリスだと古典の「ホーンブロアー」物語とか、アメリカだと「銀河の荒鷲シーフォート」シリーズとか、経験未熟な青二才士官が、徐々に鍛えられて成長していく、っていうのは割とポピュラーなんですよ。そのジャンルのマニアがいるぐらいで。うかつにそんな話をすると、3分ぐらいは語られますぜ。士官であるが故の特権と、経験不足による実力の間であがいて成長するって感じ? 日本ではあんまりないですけど。マンガの「のらくろ」とか?(あれは二等兵からだったか)。あー。安芸一穂さんの「オペレーションM・M」シリーズあったな。…これで3分ぐらい?
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shaonanz at 2011-11-13 20:33
>あんでーくん
文庫も高いよねー。日本のはまだともかく、海外モノなんかはメチャクチャ高い。もっとも、今日び、ライトノベルでも下手したらワンコインじゃ買えませんけど。 とはいえ、どうにも本は「所有するモノ」という意識が抜けず、図書館を利用しないんだよなあ俺。借りるのはいいんだが、返すという動作が致命的にできないシャオさんである。やっぱり、どっか感覚が欠落してるよ俺は。
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shaonanz at 2011-11-13 20:34
>Sinさん
うーん。いや、人間怒りたい時はあるので、どうせなら盛大にムカついた日に一気読みを推奨。本の方にムカついて、前のムカつきを忘れられれます。それ以外では手を出さないほうがイイですよマジで。なんでこれが、書評とかamazonのレビューとかでもそこそこ好評なのか心底判らない。
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