現在通院中のシャオさん。医療事務の女性から「インフルエンザのワクチンとか考えてます?」とか聞かれる。
「ああ、相談しようと思ってたんですよ。注射だけ土曜日とか…予約できますか?」
「今日注射しません?」
「…いきなりですね」
「いや、その、間違ってアンプル開けちゃいまして…」
「なにそのランチが16時までの喫茶店みたいなノリ」
「いやあ」
「褒めとらん!」
余り物の匂いがする注射だなあ、と思いつつ、首を捻る。ハテ。この病院は17:30を過ぎたら看護婦さんがいなくなるのでは。誰が注射するの?
「先生です」
え? 心療内科一筋の医者の注射ぁー?と思い切り声に出したら、ドアの奥から「聞こえてるわよ?」とドS女医の声が聞こえた。さすがに申し訳ないかなと思いつつ診察室に入り腕をまくる。
シャオの顔を見たドS女医、にっこり笑って
「大丈夫! 今年は細い針に変えたから痛くない!」
やっぱり腕に自信がないんじゃねえか。
まあ痛くなかったんだけどさ。