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2009年 03月 13日
1.銀色の季節~prologue 中学時代が平凡なものであったとは言えないな,と薫(かおる)は思う。それは学生の本分,勉学についてだけ言っても平凡ではなかった。中学2年生3学期の薫の席次は512人中498位。劣等生,といったら劣等生集団は、あいつとは一緒にするなというクレームが殺到させるだろう。ところが,今の彼はというと,劣等生などではなく,学年で主席という名誉ある地位を占めているのであった。「民主的」で「成績のみで人間性は評価できない」と考える教師たちのお陰で,卒業生総代という地位は得ずに済んだことが幸いだった。薫などから言わせると,教師に人間性まで評価されてたまるか,というのが本音だったが。 薫にしてみれば「別に大したことはしていない」と思っていたから,悪い気はしなかったが,別に躍り上がって喜んだりもしなかった。単に予習をして,授業をまじめに聞いて,復習をしてみたら成績が上がっただけのことだ。実際,「これで成績が上がらなきゃ俺のせいじゃない」と公言しつつ机に向かっていたのだから,親などに言わせれば可愛げのない性格,ということになろう。本当のことだから,それについて薫は否定する気にもなれない。 自分は他の人間とどこか違う,という認識は小学生の頃から感じていたし,この3年間で立ち振る舞いは覚えたものの,「学校」という組織・生活に心を許したとはとても言えない状態だった。そもそも,薫という人間はおよそ組織というものに向いた人間ではなく,几帳面さや忍耐力という,一般的には美点といわれるものに対して関心が薄いどころか,集団行動というものに対しては嫌悪感すら抱いていたのである。 彼がいわゆる「不良グループ」というものに馴染まなかったのは,単に腕力に自信がなかっただけだった。もしも,腕に覚えがあれば,薫はためらいもなくそれを暴力的に開放し,わずかの間のカタルシスを貪ったことは間違いない。 幸い(と言うべきなのだろう),その自信もなければ,「不良グループの一員」として虎の威を借りるのが性質的に合わず距離をとれば,教師たちは薫を「手のかからない生徒」と認定し放任してくれた。薫にしてみれば,不良グループと同じぐらい教師というものを嫌っており,両者は単に暴力か権力かで押さえつけるだけの違いしかないと思っていたので,放っておいてくれればそれで満足であり,それ以上を求めることはなかった。 貧しい青春って奴なのかな,と自問自答することもある。確かに,中学校2年生の終わりまで,薫にとって世界はモノトーンで統一されていたような気がする。特に,中学校1年生のあの夏からは…。 (続く)
by shaonanz
| 2009-03-13 19:55
| 弥生 薫
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